溜息がとまらない

ふるいふるい友。こんな思いを聞いた。
彼の長女が何年か浪人はしたが、なかなかむつかしい学部に合格した。よく頑張った、素晴らしいと、彼は長女を誇らしげに語る。尊敬に値すると。何年もくじけずに頑張ったと。そして、次女も同時受験でこちらは一浪のはずだった。ところが浪人したのに、今年は試験すら一校も受けていないと聞く。すでにニート化しているらしい。別居して五年の母子家庭である。彼の元妻は自分に対する非難には激しく反応する。つまり切れる。

話しの内容に、だまって驚く。

円満とはいいにくいDV家庭環境で、彼の元妻は育ったとか。そのせいか、今までもさまざまな形で人間関係に失敗しているらしい。

典型的な、ニート娘と「共依存」の母親の形だ。あの賢い子が、こんなことにと、彼は頭をかかえる。

何かするほど逆効果になるのは間違いない。言うほど切れるのも間違いない。なんということだ。彼は頭をかかえる。こんなことになるとは思いもしなかったと。慰めの言葉は、わたしの口からは出しようがない。

彼とわかれて家にかえる。どうしたら良いのだろう。深夜、ひとり悶々とする。暗闇のなかで、溜息と繰り言ばかりとなる。朝は、まだ遠い。

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