サーンキヤ派は紀元前からはじまり、カリーカーは四世紀とされるが、fMRIなどあるはずもないが、結果として最近の脳科学と同一の方向性に至っていると思われる。二千年前のインドの瞑想者の、その瞑想空間での体験の知、臨床の哲学であり、修行の中から見出された直観的認識の言語化されたものと、わたしは考える。静かに自らの心と内面を観察する止滅の道において、忘我の神秘体験など、梵我一如の感覚のように、宇宙の絶対的な一なる原理と個人の内在原理が一致するとの直観的発見の体験よりなるのだろう。したがって、サーンキヤ派の宇宙地図は、すなわち彼らの人間内面への地図となる。そう気づいた。仏教およびインド六派哲学のなかでも、だからサーンキヤ派が使いがってがよい。
サーンキヤ派では、物質世界は、サットヴァ(純質)、ラジャス(激質)、タマス(暗質)という三つのグナ(構成要素)から成り立っている。この三つのグナの平衡状態がわたしの自我意識(ahamkara我慢)の状態である。そして、わたしの「心の三原色」の混合比率を知ることが、解脱の前提となる識別知(vijnaan)を得ることにつながる。
まず東大式エゴグラムで自己検査する。結果は以下のとおり。
第Ⅰ群 CP 10点
第Ⅱ群 NP 14点
第Ⅲ群 A 19点
第Ⅳ群 FC 19点
第Ⅴ群 AC 0点
おおむね「逆N型」パターンとなる。しかし第Ⅳ群のFree Child が19点で、第Ⅴ群のAdapted Child が0点とは、すこししたい放題な性格かも知れない。交流分析において、「P」「A」「C」はフロイトのいう「超自我」「自我」「イド(エス)」に相当するとされるが、第Ⅳ群FCは左「扁桃体」、第Ⅴ群ACは右「扁桃体」に相当すると考えることも可能だろう。すると第Ⅲ群Aが「前頭葉前野」であり、第Ⅰ群CPが右「扁桃体」と「前頭葉前野」の、第Ⅱ群NPが左「扁桃体」と「前頭葉前野」がシンクロした働きと考えられないか。
篠浦伸禎氏のweb「脳優位スタイル検査」も試みてみる。結果は以下のとおり。
左脳三次元、右脳二次元というパターンらしい。ストレス耐性も良い感じである。
サットヴァ(純質)、ラジャス(激質)、タマス(暗質)という三つのグナの構成具合を自己診断すれば、エゴグラムの第Ⅴ群のAdapted Child が0点であるように、タマス(暗質)は少ないようだ。これは右「扁桃体」の逃走という作用と対応すると思うが、自分史をふりかえっても、そうかも知れない。強いラジャス(激質)優位の、つまり左「扁桃体」優位の性格(逃走ではなく接近)と自己認識しているが、脳の優位スタイル検査では吉田松陰と同じタイプだとは、どういう判定だろう。Adapted Child が0点なのに。
わずかな費用で、自分の遺伝子検査ができる時代である。最近の脳科学と検査機器の急速な進化により、脳の各部位をスキャンし、そのサイズ等を測定し比較することにより、簡単に個々人の脳構造、つまり心の構造が判別できるようになるだろう。というより、世界のどこかで既にはじまっているだろう。